コマツ、フル電動の小型ショベル 排ガスゼロで遠隔操作

Akihiro Komuro
小室 明大

コマツは13日、リチウムイオン電池を搭載したフル電動の小型ショベルを開発したと発表した。シリンダーなどの駆動部にも油圧機器を使わないショベルはコマツとして初めて。排ガスを出さないほか、遠隔操作方式も採用し、危険な場所での作業にも対応できる。

13日に創立100周年を迎えたコマツが、脱炭素社会に対応したコンセプトモデルとして公表した。

当面、一般販売は予定していないという。ショベルは無線LANで外部と接続し、運転手は建機に搭乗せずに遠隔地から操作する。遠隔操作が可能なため、屋内での解体や災害救出など危険な現場での作業にも適している。

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大型船の燃費に国際格付け、新制度創設へ

Akihiro Komuro
小室 明大

外航船の燃費性能を格付けする国際的な新制度が、日本主導で創設されることが明らかになった。国際会議で6月に関連条約の改正案が採択され、2023年に導入される方向だ。

燃費の格付け制度は、コンテナ船、石油タンカー、クルーズ船など大型外航船が対象となる。毎年1回、船の所有者や運航会社が、船籍を置く政府に燃費データを提出し、5段階(A-E)で評価する。運航距離と船の重さ、燃料消費量からCO2の排出量を換算して比較する。最低のE、もしくは3回連続でDになると、所有者は船籍のある政府に改善計画を提出する必要がある。燃費を改善する装置を追加したり、航行速度を抑えたりすることが求められる。改善できなければ航行できなくなる。

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中国主導のプロトン再生

Akihiro Komuro
小室 明大

マレーシアの国民車メーカー、プロトンの販売が絶好調だ。2月の同国内での市場シェアは27.3%に達し、もう一つの国民車メーカーであるプロドゥアの38.8%を猛追する。単月の不規則現象ではない。2020年通年は20.5%。過去最低を記録した18年の10.8%を底に、わずか2年でほぼ倍増した。シェアの2割台回復は7年ぶりのことだ。

反転攻勢の転換点は中国メーカーとの資本・業務提携だった。17年9月に吉利汽車の親会社から49.9%の出資を受け入れると、中国で生産・販売するSUVの右ハンドル版「X70」を18年末に輸入開始。これがヒットするや、19年末にマレーシアでの国内組み立てに切り替え、20年9月には小型のSUV「X50」を追加投入した。

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現代グループが斗山インフラコア買収を進める

韓国のメディアは、現代重工業が斗山インフラコアの34.97%の株式を斗山重工業から8500億ウォン(6億3000万ユーロ)で取得すると報じている。斗山インフラコアは、斗山グループの重建設部門。

この取引には、インフラコアの2019年の収益の57%を占めるDoosan Bobcatは含まれていない。この契約は、現代が現代建設機械と斗山インフラコア建設機械事業を所有することを意味する。規制当局が買収承認後、2021年の第3四半期までに買収を完了する予定。

出典: International Construction.com

PSR 分析: これは現代重工業が現代建設機械と斗山インフラコアを参加に収めることでスケールメリットを得て、中国市場を筆頭にシェア拡大を狙う戦略に見える。

現代重工は造船とプラントに次ぐ第3の柱として建機部門を中核事業に据えている。中国やインド、東南アジアでの建機の需要は堅調で、同業買収によって規模を拡大し海外展開を急いでいる。徐工や三一重工といった中国勢は国内需要に支えられて急成長しており、現代重工は斗山の事業買収で中国市場を深耕することが、生き残りに欠かせないと判断したようだ。

一方、斗山重工は政府の原発凍結政策などで主力の重電部門が振るわず、2019年まで6期連続の最終赤字が続いていた。政府系金融機関から支援を受けつつ、経営再建に向けて非中核事業の売却を進めてきており、これまで建設会社や不動産、油圧機器などの事業売却を行ってきた。今回の売却が完了すれば、財務改善に一定のメドがつく見通しだ。PSR

小室 明大 – 極東及び東南アジア リサーチアナリスト

二輪4社、電動バイクのバッテリー仕様共通化

ホンダ、ヤマハ発、スズキ、川崎重工業の国内二輪メーカー4社は3月26日、電動バイクのバッテリー仕様を共通化することに合意したと発表した。着脱式の交換バッテリーを共通化することで利便性を高める。今後整備していく充電器も標準化する。

小型スクーターでは、車体が小さいため航続距離を延ばすためのバッテリーの大型化が難しく、充電の頻度が高い。着脱式ならバッテリー交換所で充電済みのものと交換しながら走れるため、利便性も高まる。

出典: 日経

PSR 分析: 2019年4月に4社は協議体を設置してバッテリーの共通化について議論してきた、その結果共通化に合意したことはひとつの成果だ。VHSなのかベータなのか、というような仕様乱立による混乱を防ぐという意味でもこれは最低限必要な到達点だった。また、4社が合同で何かを成し遂げるというのは過去に例が無く、その意味でも有意義だったのかもしれない。

バッテリーの構造、特性、保護回路、充電に関する通信プロトコル、さらに交換インフラとなるステーションに関する規格が合意されている。ただし、大きさ、重量、容量、形状などは協調領域の範囲外となり各社ごとの対応、つまり競争領域となる。

今回の合意は、二輪のうち原付一種・二種向けの交換式バッテリー(と交換ステーション)に関する部分だ。中型・大型バイクの電動化については、4社ともにこれまでどおり技術開発・商品開発を続ける。

正直な感想を言えば、この合意形成には2年かかっており、これはあまりにも時間がかかりすぎている。台湾のGogoroやKYMCOのIonexなどはすでに多くのEVバイクをリリース、充電ステーションも都市部中心に普及し、すでに生活の足として機能している。国際的な競争が激化する中で、従来の日本式のスピード感では対応できないケースが増えていくだろう。PSR

小室 明大 – 極東及び東南アジア リサーチアナリスト

コマツ、2050年に顧客の建機を含めCO2排出ゼロ目標に

コマツは2050年に二酸化炭素(CO2)排出量の実質ゼロを目指す。建設機械の製造時など自社で出す分だけでなく、販売先の顧客が使用時に出す分までを含めてゼロにする。建機の電動化や燃費改善を進めるほか、顧客の建機の効率運用を後押しするなどして達成を目指す。

ESG(環境・社会・企業統治)投資家が顧客企業の排出分も含めた削減を重視しているのに対応する。

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