Akihiro Komuro
小室 明大

コマツは13日、リチウムイオン電池を搭載したフル電動の小型ショベルを開発したと発表した。シリンダーなどの駆動部にも油圧機器を使わないショベルはコマツとして初めて。排ガスを出さないほか、遠隔操作方式も採用し、危険な場所での作業にも対応できる。

13日に創立100周年を迎えたコマツが、脱炭素社会に対応したコンセプトモデルとして公表した。

当面、一般販売は予定していないという。ショベルは無線LANで外部と接続し、運転手は建機に搭乗せずに遠隔地から操作する。遠隔操作が可能なため、屋内での解体や災害救出など危険な現場での作業にも適している。

出典: 日経

PSR 分析: 発表されたモデルはコンセプトであり一般に販売はされないということだが、将来のパワーショベルの在り方を視覚的に実現させているという観点からもその意義は大きい。コマツは2020年にも電池駆動式の小型ショベルを国内で市場投入したが、ショベルのアームなどを動かすシリンダーは油圧式だった。今回のモデルは油圧機器を使用しておらず、省エネ性能が向上し、それはメンテナンス負担の軽減にもつながる。

また、コマツは同日、5Gの高速通信を活用し、一人の運転手が遠隔地から、油圧ショベルやブルドーザーなどの複数の建設機械を切り替えながら操作する実証実験が成功したことも公表した。

業界をリードしているコマツのこうした取り組みは現場に求められている内容とマッチしており、早期の新技術の市場投入が求められている。PSR

小室 明大 – 極東及び東南アジア リサーチアナリスト