ビングループ、4月にEVタクシー参入へ新会社設立

東南アジア > ベトナムレポート
Akihiro Komuro
小室 明大

ビングループは4月に同国でEVを使ったタクシー事業に乗り出す。創業者会長が95%を出資し、新会社を設立した。まずは首都のハノイでサービスを始め年内に全国に広げる計画。自社製品の認知度向上にもつなげる。新会社GSMグリーン・アンド・スマートモビリティーの資本金は3兆ドン(約170億円)。EVを使ったタクシーのほか、EVや電動バイクを他のタクシー会社などに貸し出す事業を展開する。GSMではEV1万台と電動バイク10万台を使用する予定だ。

出典: 日経

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EV電池確保できるか 北米で工場新設相次ぐ

極東 > 日本レポート
Akihiro Komuro
小室 明大

車載リチウムイオン電池を巡り、自動車大手の投資が活発だ。日系勢では日産が先行し、ホンダやトヨタが追いかける構図だ。車載リチウムイオン電池はモーター、インバーターと並ぶEVの「三種の神器」の一つとされる。特に車載電池は動力源であり最も重要だ。多くの場合、電池大手と提携して電池の供給量を確保しなければ、EV生産がままならない。ただ、自動車大手が手を組む電池メーカーの数は限られる。2021年の世界の車載電池市場では、1位がCATLの39%だった。以下、LGエネルギーソリューション(18%)、パナソニックホールディングス(12%)などが続き、上位3社で7割を占める。

巨額投資が相次いでいるのは北米だ。欧州や中国ではすでに工場建設が着工している事例が多数ある。一方、米国ではバイデン政権が脱炭素へシフトチェンジした。その後、GMやフォード・モーターはEVへ本腰を入れ、LGエネや韓国・SKグループと組み、それぞれ約1兆円ともされる巨額投資を進める。売上高に占める北米比率が高い日系自動車大手はこぞって新たな投資戦略を発表している。

インフレ抑制法で税控除を受ける条件として北米生産が要求され、自動車メーカー各社はこれへの対応を進めており、域内完結型のサプライチェーンを再構築しようとしている。中国やロシアなどから調達した材料を使った電池を搭載したEVは補助の対象外になる可能性が高い。日産は中国資本が8割を出資するエンビジョンAESCから電池を調達しているが、これが補助にならないリスクがあり、他の調達ルートを模索している。ホンダは韓国のLGエネと44億ドル規模の合弁工場を米国に建設予定だ。トヨタはグループ会社の豊田通商と米国内に工場建設を予定している。スバル、マツダ、三菱は売上高に占める北米の割合が大きいが、自社でサプライチェーンを再構築する投資の余力がない。提携を模索しているのではないかと言われている。

参考: 日経

PSR 分析: バッテリー生産設備の増強を狙った投資と、自動車メーカーによる調達競争はすでに激化している。資本力がものをいう世界で規模が小さい自動車メーカーは他社との提携を迫られることになっていくだろう。要するに、バッテリーを確保しなければEVは生産できない。自社で調達できない場合は他社から購入するしかない。そのバッテリー購入費用は他社よりも高くなり、自動車の販売価格に反映する。その結果他社との価格競争力に影響が出て、自社の車を売りにくくなる。それを各社とも認識しているのでこうした大規模な投資を進めているわけだが、長期的視点に立つと、市場に生産設備が過剰となる可能性は否定できない。このリスクは、今はあまり語られないが、生産設備が過剰になればバッテリーの価格にも影響が出るようになるだろう。現在は調達競争が激化しているが、その状況が10年後も同じであるとは考えにくい、と私は考えている。PSR

小室 明大 – 極東及び東南アジア リサーチアナリスト

韓国SKやLG、米でEV電池工場 米中対立の間隙突き合弁

韓国の車載電池大手が米国市場を攻略している。SKイノベーションがフォードと、LG化学がGMと組み、車載電池工場の建設を推進する。米中対立を背景に世界首位メーカーのCATLが踏み込めない米国市場で、韓国勢は顧客の取り込みで先行したい考えだ。SKは同工場に約3000億円を投じ、年産ベースでEV22万台分に相当する22ギガワット時の車載電池を作る計画だ。さらにフォードとの合弁計画では、両社で6000億円を投じて60ギガの巨大工場を建設する。

SKの2019年時点の年産能力は韓国工場のわずか5ギガのみ。中国とハンガリーの工場立ち上げで2020年に30ギガに拡大し、米工場が加わり2023年に85ギガに、さらにフォードとの合弁を加えて2025年には185ギガを上回る見通しだ。

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