ビンファストがEV受注開始、バッテリーはサブスク

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Akihiro Komuro

小室 明大

ベトナムの新興自動車メーカー・ビンファストは、同社初となるEV「VFe34」の受注を開始した。「VFe34」はCセグメントのSUVクロスオーバータイプ。42kWhのバッテリーを使用し、フル充電で300キロ走行できる。国内販売価格は6億9,000万ドン(約331万円)。バッテリーはサブスクリプション方式(定額利用サービス)で提供する。月間利用料は145万ドンと、ガソリンでの走行にかかる費用と同水準に設定されている。バッテリーは充電性能が70%を下回ると、新品と交換できる。顧客の初期費用を抑えると同時に、バッテリーの品質リスクを保証するという。6月末まではプロモーションとして、1億ドンを値引きし、バッテリーの定額利用サービスも1年間無料で提供する。また、ガソリン車から買い替える顧客は、ビングループの「グリーン・フューチャー・ファンド」から1台当たり3,000万ドンを贈呈。購入をキャンセルしても、保証金1,000万ドンを全額返金する。ビンファストによると、24日の受注開始から12時間で3,692件の受注を記録したという。

ビンファストは現在、充電施設の整備を進めており、1月に首都ハノイ市内のビンホームズ・オーシャン・パークに最初の充電スタンドを設置した。2021年内に全国63省・市に2万を超える充電スタンドの設置を計画しており、協力先を募っている。

技術提携も進めており、3月3日には台湾のPLGと覚書を締結。ベトナムに合弁会社を設立し、PLGの特許と技術を用いたEV用全固体電池パックの製造を進める。

出典: JETRO

PSR 分析: ベトナムのVINFASTは、ベトナム国民が待望していた自国製の自動車ブランドであり、多くの関心を集めている。不動産を軸に家電などの多くの事業を持つビングループ傘下の企業だが、スマートフォンとテレビの開発と生産を中止することを発表した。今後はビンファストを軸にした自動車事業と、住宅のスマート化向けに先端技術を取り入れた家電に注力すると思われる。

ビングループは近年、小売り事業を売却し、また、航空事業へ参入プロジェクトを中止したりといった事業再編を進めてきた。2020年の純売上高は前年比15.5%減の110兆5,000億ドン、純利益は43.0%減の4兆4,000億ドンだった。

主力の不動産事業は好調だったが、COVID-19の影響で観光・娯楽分野などが落ち込んだ。多額の投資を伴う自動車事業を軌道に乗せられるかの正念場だ。ベトナム国内のEV充電ステーション網はまだまだこれからという状況で、彼らがEV販売台数を伸ばすためには国内のステーション整備が必要だ。輸出な米国での製造も検討しているという情報もあるが、まずは足元の国内市場でどこまで健闘できるかが問われている。彼らが国内EV市場で成功することは、他国のEVメーカーにとっても販売の土壌ができることを意味するため、非常に重要だ。 PSR

小室 明大 – 極東及び東南アジア リサーチアナリスト


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