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Akihiro Komuro
小室 明大

筆者は環境関連機器の展示会である「2022 NEW環境展」を視察した。

出典: 2022NEW環境展公式サイト

PSR 分析: COVID-19の影響で中止されていた展示会もだいぶ開催機会が戻ってきた。入場方式はコロナの影響で随分様変わりした。以前は事前登録をしていても受付で名刺を渡し、ネックホルダーを受け取っていたが、最近ではワゴンに置かれているネックホルダーを自分で取って、事前登録後に印刷した名札代わりの用紙を差し込み、QRコードをスタッフがタブレットで読み取って入場する、というタッチレスの仕組みに変更されている。会場では大型の液晶スクリーンでYouTubeのライブ配信をしていたり、時代の流れを感じるものだった。

展示会自体は廃棄物処理・解体・バイオプラスティック・水処理浄化・熱利用システム・リサイクルなど、環境に関連する多くの機器が見られた。土砂と木材などが混ざったガレキを粉砕して効率よく分けていくような大型装置や、特殊繊維を使った海水中からの金属回収システム、木材や石材などの破砕関連機器の展示は種類やサイズも多く目を引いていた。

電動化については、木材破砕機や、不整地運搬車、ジョークラッシャーなどの電動モデルの展示があった。これらの電動モデルの開発には、電力会社がバッテリーユニットをパックとして販売したものが多く採用されている。このバッテリーパックは重量とサイズともに大きく、簡単に交換ができるようなものではないため、やはり今後の課題は大出力化と駆動時間だろう。不整地運搬車など、運搬や移動を前提とするモデルにとっては駆動の長時間化は必須であり、現時点ではまだコンセプトモデルの段階だが、こうしたコンセプトモデルの開発を行うことでメーカーは様々なノウハウを得て、将来の量産に向けた技術的な蓄積がある。破砕機などの定置使用が前提の機器については、電源を別途用意しさえすればエンジンモデルとほぼ同等の能力があるとユーザーはすでに理解しており、市場に受け入れられる土壌の成熟を感じた。こうしたオフロード機器、環境機器の分野でも電動化の波は及んでいる。PSR

小室 明大 – 極東及び東南アジア リサーチアナリスト