韓国のメディアは、現代重工業が斗山インフラコアの34.97%の株式を斗山重工業から8500億ウォン(6億3000万ユーロ)で取得すると報じている。斗山インフラコアは、斗山グループの重建設部門。

この取引には、インフラコアの2019年の収益の57%を占めるDoosan Bobcatは含まれていない。この契約は、現代が現代建設機械と斗山インフラコア建設機械事業を所有することを意味する。規制当局が買収承認後、2021年の第3四半期までに買収を完了する予定。

出典: International Construction.com

PSR 分析: これは現代重工業が現代建設機械と斗山インフラコアを参加に収めることでスケールメリットを得て、中国市場を筆頭にシェア拡大を狙う戦略に見える。

現代重工は造船とプラントに次ぐ第3の柱として建機部門を中核事業に据えている。中国やインド、東南アジアでの建機の需要は堅調で、同業買収によって規模を拡大し海外展開を急いでいる。徐工や三一重工といった中国勢は国内需要に支えられて急成長しており、現代重工は斗山の事業買収で中国市場を深耕することが、生き残りに欠かせないと判断したようだ。

一方、斗山重工は政府の原発凍結政策などで主力の重電部門が振るわず、2019年まで6期連続の最終赤字が続いていた。政府系金融機関から支援を受けつつ、経営再建に向けて非中核事業の売却を進めてきており、これまで建設会社や不動産、油圧機器などの事業売却を行ってきた。今回の売却が完了すれば、財務改善に一定のメドがつく見通しだ。PSR

小室 明大 – 極東及び東南アジア リサーチアナリスト