対インドネシア投資、中韓が台頭 日本の退潮鮮明

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Akihiro Komuro
小室明大

中国と韓国がインドネシアへの投資を増やしている。インドネシア投資調整庁によると、2020年の海外直接投資(FDI)は中国(香港含む)が前年比で11%増の84億ドル(約8820億円)、韓国は同64%増の18億ドルだった。

Jこれまで投資をけん引してきた日本は40%減の26億ドルと退潮傾向が鮮明だ。20年のFDIはシンガポールが98億ドルで1位、中国と日本が2位、3位と続き、次いで欧州連合(EU)が4位、韓国が5位だった。

シンガポールは第三国が同国を経由してインドネシアに迂回投資する事例が多く、実質的には中国が1位との見方が強い。20年10月~12月期は韓国が同年四半期で初めて日本を上回った。

中国は採掘や精錬などへの投資を伸ばしている。韓国は自動車分野で投資を進めており、現代自動車も西ジャワ州ブカシ県で自動車工場を稼働させる計画だ。

今後の中韓勢の投資の柱の一つになるのが、インドネシア政府が24年の国産化をめざす電気自動車(EV)電池だ。同国は主要材料のニッケルの世界最大の産出国である強みを武器に、EV電池の一大生産拠点にする方針で、外国勢に投資を呼びかけている。インドネシア政府は中国のCATLや韓国のLG化学などと投資誘致に向けた交渉を進めている。

中国は貿易や援助でもインドネシアとの結びつきを強めているうえ、最近では新型コロナのワクチンも同国の国内流通分の大半を供給している。

出典: 日経(一部筆者により元記事内容を改編しました)

PSR 分析: 前号のPowerTALK News™でもインドネシアの資源戦略について述べたが、この報道もまたインドネシアが投資誘致に積極的になっている様子が伺える。

現在東南アジアはCOVID-19以外にも様々な意味で揺れている。タイでは反政府デモが活発化している。ミャンマーではクーデターが発生し、現地に進出しているトヨタやスズキは工場の稼働を停止したり延期したりしている。ベトナムを除くほとんどの国の2020年のGDPは激しく落ち込み、経済の立て直しに向けて各国の政府は戦略を見直している。多くの場合、外資系製造業からの投資を経済の基盤にしているため、政治の安定性と治安の維持はとても重要だ。

インドネシアは人口も多く、国内市場は大きい。それだけではなく、中東やアフリカと東アジアとを繋ぐ地理的な要衝でもあるため、中国にとってだけでなく、多くの外資系企業にとってもポテンシャルを感じる国だ。今後インドネシアが中国をはじめ近隣国と経済的な結びつきをどのように深めていくかは、自動車メーカーをはじめとする製造業各社にとってだけでなく、国際安全保障上でも極めて重要で、注視していく必要がある。PSR

小室 明大 – 極東及び東南アジア リサーチアナリスト


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